英国軍の元司令官が、パキスタンの核兵器のコントロールをタリバンが掌握する可能性を憂慮
The Times of India、2021年8月16日付の記事より
正直、泣いてます! 下の9月8日の投稿で私は、タリバンがパキスタンの核兵器を入手してしまう危険性を大いに心配し、アフガニスタンやパキスタン情勢に詳しい読者の皆様からの情報を求めました。無論私としては、「シロートの杞憂」に終わることを願っていたのですね。事情に詳しい方々から、「考え過ぎだ、心配するな!」と慰めていただけることを願っていたのです。
でも。英国陸軍の元司令官で、アフガニスタンで軍の指揮にも当たっておられた軍人が、同様の懸念を表明されたら!??
そんな記事が、今年の8月16日付でThe Times of India紙にありました!やはり、インドはパキスタンの隣国で、しかもお互いに核兵器を保有して睨み合っているだけに、アフガンやパキスタンの軍事情勢には敏感ですね。日本語メディアの多数派とは大違い。
単なる「シロートの考え過ぎ」であってほしかった! でも、ただ泣いていても仕方がないので、その記事を日本語で紹介しますね。
The Times of India、2021年8月16日付の記事
Taliban Afghanistan News: Former British commander cautions Taliban may get control of Pakistan’s nuclear weapons | World News – Times of India (indiatimes.com)
(タリバン、アフガニスタン関連のニュース: 英軍の元司令官、タリバンがパキスタンの核兵器を握る恐れがあると警告)
(私による日本語化)
エルサレム発
パキスタンからの積極的な支援がなければ、タリバンがアメリカの支配下で軍事活動を維持し、さらにはアフガニスタンで今回のように勝利を収めることなど、できなかったはずだ。そう主張する英国陸軍の元司令官が、この月曜、イスラム聖戦勢力がパキスタンの核物資を掌中に収めて核武装を行う危険性があると憂慮を表明した。
エルサレムに本拠を置く非営利団体Media Centralのオンライン会議で発言したこの元司令官はリチャード ケンプ(Richard Kemp)大佐で、アフガニスタンやイラクも含む、世界でも特に熾烈な戦場で第一線に立ち軍隊を指揮した。同司令官によれば、「タリバンを作ったのはパキスタンであり、その資金を拠出し支援したのもパキスタンだ」
アフガニスタンでの過酷な戦闘では、この日曜日に勝敗を決する出来事があった。(当時の)タリバン反政府勢力がカブールに迫り、同市に入る前に大統領官邸を占拠、戦闘態勢を整えていたはずのアシュラフ ガニ大統領が他の多数の市民や滞在外国人たちと一緒に、アフガニスタンから脱出したのだ。
ケンプ元司令官によれば、「パキスタンからの支援がなければ、タリバンが20年間もカルザイやガニ政権の下で勢力を保つことはできなかったはずだし、これだけの戦闘を展開することも、ましてや勝利を収めることもなかったはずだ」
だが同元司令官はパキスタンに対する警鐘も忘れてはいない。「イスラム聖戦主義の国家がすぐ隣にあるというのは、パキスタンにとっても大変な危険となる」
この元英軍司令官によれば、「アフガニスタンでの軍事活動の間、最大の脅威の1つとして我々が考えたのは、パキスタンにある核施設や核兵器施設の一部をタリバンが手に入れる、あるいは利用するのではないか、という危険性だ」
その危険性が生じる要因の1つとして、ケンプ元司令官によれば、パキスタン政府とタリバン全体、アフガニスタンのタリバン、パキスタンのタリバン、アルカイーダ、その他の聖戦勢力がパキスタン国内で織りなしている複雑な関係だがある。
「それは深刻な脅威で、忘れては困る。テロリスト集団が核兵器材料で武装するのだから。入手したからといって、必ずしも核ミサイルとして使用するとは限らないが、そうした材料があればタリバンその他のアフガニスタン国内の聖戦勢力は何らかの武装に利用できる」と、ケンプ氏は語った。
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この記事も長いですね。後半は次回に。